言葉遣いにも注意して
「です」「ます」口調を基本に
ビジネスマナーの基本である言葉遣いですが、「です」「ます」口調を意識してください。何気なく使用している丁寧な言葉も、看護師として不適切な場合もあります。よく使う言葉を例にして見ていきましょう。
「すみませんが」→「恐れ入りますが」、「了解です」→「かしこまりました」、「すみません」→「申しわけございません」、「後で」→「後ほど」、「すぐに」→「早速」、「どうですか」→「いかがでしょうか」、「ちょっと」→「少々」
上記のようにいい換えてください。「です」「ます」口調が基本と述べましたが、単純に語尾に「です」「ます」を付ければいいというわけではありません。例えば「了解しました」という言葉ですが、本来「了解」とは目下の人に使う言葉なので、患者や上司と会話する場合には不適切です。
尊敬語と謙譲語
尊敬語と謙譲語の分別も大切です。普段はあまり意識することがないかもしれませんが、医療現場では使い分けなければなりません。以下に、基本的な尊敬語と謙譲語を紹介します。
「頂きます(謙譲語)」「召し上がる(尊敬語)、「させて頂く(謙譲語)」「される(尊敬語)」、「伺う(謙譲語)」「お聞きになる(尊敬語)」、「申し上げる(謙譲語)」「おっしゃる(尊敬語)」
尊敬語と謙譲語を意識すべきなのは、医師や上司と会話をする時です。例えば、医師に対して「~を拝見して頂いていいでしょうか」というのは間違いです。「拝見する」は謙譲語なので、正しくは「~をご覧になって頂けますか」です。また、患者と会話をする際に使ってしまいがちなのが「~先生はもうすぐいらっしゃいます」という表現です。実はこれは間違いで、医師は看護師にとって身内となるため、正しくは「~先生は只今参ります」です。
医療用語の伝え方
看護師の言葉遣いで特に注意すべきなのが医療用語です。医療用語をそのまま使っても患者には伝わりません。そのため、相手に理解してもらえるように言葉を変換する必要があります。代表的な医療用語の伝え方を以下に紹介します。
「既往歴はありますか」→「以前にかかった病気はありますか」、「体位変換をします」→「身体の向きを変えます」、「経口摂取になります」→「口からの飲食になります」、「清拭します」→「身体をきれいにします」
このように伝えるようにしてください。患者はケガや病気に対する不安で精神的に不安定な状態です。その上で、自分に理解できない言葉で伝えられるとさらに不安になってしまいます。また、理解できない言葉で伝えてくる看護師に対して不信感を持つこともあるでしょう。そのため、患者に対しては可能な限り分かりやすい言葉で伝える必要があるのです。